窒化ケイ素球は、低熱膨張性、高剛性、耐摩耗性など、ハイブリッドベアリングに使用する上で優れた機械的特性を備えています。
フルセラミックベアリングやハイブリッドベアリングでは、超高速回転が求められているため、窒化ケイ素球が使用されています。密度がスチールの半分以下の窒化ケイ素球は、回転時の遠心力を低減し、ベアリングの高速回転を可能にします。
窒化ケイ素球は絶縁体であるため、電食防止に高い効果を発揮します。そのため、電食が原因で電気モーターのベアリングが、早期に故障するのを防ぐことができます。
窒化ケイ素の非磁性は、磁場にさらされる環境下での使用に優れています。これらの用途でスチールボールを使用すると、磁場を乱したり、回転トルクに影響を与える可能性があります。
磁場環境下で使用する半導体製造装置や医療用診断装置には、窒化ケイ素球を組み込んだハイブリッドベアリングが最適です。
寸法精度
お客様のご要望に応えるだけでなく、それを上回る超高精度を実現しています。
ISOの最高等級である Grade3の精度を超えるGrade1相当の超高精度加工が可能です。
日本、アメリカ、タイの生産拠点で直径0.5mm〜50mmの幅広いサイズラインナップを取り揃え、グローバルな需要に対応しています。
切込み、穴あけ、平面加工も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
等級 | 直径 mm |
ロットの直径の相互差 最大 μm |
直径不同 最大 μm |
真球度 最大 μm |
表面粗さ 最大 μmRa |
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1 | ≦2.0 | - | - | - | - |
3 | ≦12.7 | 0.13 | 0.08 | 0.08 | 0.010 |
5 | ≦25.4 | 0.25 | 0.13 | 0.13 | 0.014 |
10 | ≦28.575 | 0.5 | 0.25 | 0.25 | 0.020 |
16 | ≦33.338 | 0.8 | 0.4 | 0.4 | 0.025 |
20 | ≦48.419 | 1 | 0.5 | 0.5 | 0.032 |
ISO 3290-2 Rolling bearings – Balls – Part2: Ceramic ballsに準拠しています。
ご要望により、標準外寸法・仕様のご注文も承ります。
幅広い分野での用途
電気自動車、風力発電機、半導体製造装置など、幅広い分野でツバキ・ナカシマの窒化ケイ素球が使用されています。
電気自動車用のモーターが回転しているときにベアリング内部に電流が流れると、アーク放電が発生し接触面が損傷します。
この問題を解決するために、絶縁性に優れたツバキ・ナカシマの窒化ケイ素球を使用したハイブリッドベアリングが使用されています。
集合型風力発電所の規模や発電量が増加するにつれて、タワーの高層化、ブレードの長尺化、発電機の大型化や耐荷重性への要求は高まっています。
耐久性や耐荷重性に優れた窒化ケイ素球を使ったベアリングは、これに応えることができます。
人里離れた場所に設置され、高層化している風力発電機のメンテナンス性は高くはありません。耐久性の高いツバキ・ナカシマの窒化ケイ素球は、想定外のメンテナンスコストの削減に役に立っています。
高速回転かつ低潤滑条件下で使用される半導体製造装置のベアリングには、ツバキ・ナカシマの窒化ケイ素球が使用されています。
スチールボールと比較すると、窒化ケイ素球を使用したベアリングの寿命は、50%以上向上することが確認されています。
交換頻度とメンテナンスコストを削減することで、製造工程の総ライフサイクルコストを削減できます。
自転車のホイールハブ(ボトムブラケット)に、ツバキ・ナカシマの窒化ケイ素球を使用することで摩擦と重量を減らし、ベアリングの寿命を延ばすことができます。